事例

case03ダム下流域での巨石を主体とした土砂還元による瀬の再生

場所: 一級河川 天竜川(静岡県浜松市)
目的: ダムの堆砂処理で発生する巨石を活用して失われた瀬を再生する
対策前の状況:

ダムによって土砂供給量が減少し、河床が低下していた。これにより、もともと長い早瀬であった場所が短い瀬とトロ状の深みとなっていた。

対策方法

上流に位置するダムの堆砂処理(ダムに溜まった土砂を定期的に引き揚げる処理)で発生した土砂の中から巨石を選別し、これを主な材料として、河床低下した部分(以前は早瀬であった場所)に盛った。
対策のポイントは以下の通り。

①「流れの蛇行」や「深みと浅瀬」といった多様な物理環境ができるように石の配置を工夫し、アユ漁場にもなるようにした。
②水が強く当たる場所に大きな石を配置したり、水の流れを受け流すような石の置き方にしたりすることで、大規模な出水でも瀬が維持されるようにした。

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対策の結果
  • 河床低下する前の規模まで瀬が再生された。
  • アユの専門家による調査で、再生した瀬において、多くのアユのハミ跡が確認された。
  • 施工後に大きな出水があったが、配置した巨石はほとんど流されずに残っていた。

対策の詳細については、下記のページをご覧ください。
まるっと天竜川「秋葉ダム直下域早瀬再生実験」